グリーンランド

グリーンランドの玄関口、コペンハーゲンへ

 いよいよ待ちに待ったグリーンランドへの旅立ちの日がやってきました。その前にグリーンランドへ行くことに なった経緯を簡単に。
 グリーンランドは私のもっとも行きたい場所の1つで、前々から資料を集めて計画を立てていました。 で、夏も終わりに近づいた頃、奥さんと家でご飯を食べているとき、「今年の冬はどこか海外に行きたいね」 という話が出ました。
 私「おお、いいね。せっかくだから冬らしい所へ行こうか。オーロラを見に行くとか」
 奥さん「わー、見たい見たい!」
 私「よし、じゃあグリーンランドだ」
 奥さん「えっ、グリ、グリーンランドって、ビッケの歌に出てくるあそこ?オーロラ見れるの?」
 私「そう、そこそこ。もうバッチリ、可能性大だよ。他にも犬ぞりとか氷河とか。。」
 奥さん「行きたい!」
 ということであっさりグリーンランド行きが決まりました。もちろん奥さんも私が以前から集めていた資料や 写真を見て大乗り気です。
 少し早めに成田空港に着いた私たちは、例によって和食を食べようということになりました。
 私「おっ、ここの海鮮丼は腹も空いてるせいか、うまい!」
 奥さん「うん、腹が空いてなくてもおいしいよ」
 私「じゃあ、ほんとにうまいんだ。次回もここはチェックだね」
 奥さん「帰りにも寄ろうか」
などという話をしながら、気分は遠い氷の島ならぬ和食です。
 私たちの乗る飛行機は、スカンジナビア航空984便コペンハーゲン行きです。SAS東京―コペンハーゲンの機材は B767型機で窓側2列なので、しっかり窓側を確保した私たちは、以前SASを利用した友人から 「機内食はけっこうよかったよ」という話を聞いていたので、先ほどおいしい和食を食べたにもかかわらず、 気分は再び機内食に。出てきた食事は選択こそ出来ないけれど、味はまずまず。飲み物は豊富にあり、 CAさんは笑顔で愛想よく気分のよい旅立ちです。腹が一杯になったところであとは酒でも飲みながら映画みて寝るだけです。

初めての北欧、コペンハーゲン到着

 もともと成田を1時間近く遅れて出発したため、コペンハーゲンへは30分少々遅れて夕方5時過ぎに到着です。 コペンハーゲン・カストロップ国際空港はきれいでわかりやすい空港でした。Arrivalの表示にしたがって入国審査を 通り、機内預け荷物のない私たちはBaggage Claimを横目に見て、税関で申告なし側を通過すると、 そこはすごい人だかりの到着ロビーへと出ました。
 ここで送迎ドライバーが迎えに来てくれているはず、、、あれ、見当たらないな。うーん。 ここでもし見つからなかったらどうしよう。タクシーでホテルへ行こうか、いや、バウチャーはドライバーが 持ってるんだ。などと周囲を探し回っていると、カフェの方で何か看板を持った人がうろうろしています。
 私「ねえねえ、あの人あやしくない?」
 奥さん「うん、あやしい。ちょっと行ってみない?」
 私「そうだね。いかにもって感じだもんね」
と言いながら駆け寄って行って、
 私「すみません、ドライバーさんですか。〇〇と言いますが」
 ドライバー「おお、〇〇ご夫妻ですね。お待ちしてました。もう1人日本人の方がみえる予定なので ちょっとあちらでお待ち下さい」
と言われそちらを見ると、すでに日本人女性が1人そこにたたずんでいます。見つかってよかったと思いながら そちらへ行ってさっそく自己紹介。その女性はMさんという方で1人でグリーンランドへ行かれるとのこと。 場所柄、同行者が見つからなくて、でもぜひオーロラが見たいからとのことでした。
 結局それからさらにしばらく待って(ドライバー氏が到着ロビーを隅々まで看板を持って探し回ったあげく)、 そのもう1人の日本人客というのは現れず、計3人の日本人を乗せて市内のホテルに向けて出発です。 (あとで聞いた話ですがその人はキャンセルされたとのことでした)

旅立ち前夜の散策

 ホテルへ到着すると、グリーンランドからの帰りの分のバウチャーも含めてドライバー氏から受け取り、 ドライバー氏とは明朝8:20に待ち合わせをして別れました。結局車の中で話したところによると、私たち夫婦と Mさんとはその後の行程はすべて同じであることが判明。これからの長い道中お互いよろしくということで、 その日はそれぞれの部屋へと分かれました。
 しかし時間はまだ19時、私たちは機内食を散々食べていたのであまり腹は減っていなかったのですが、 まだ早いのでちょっと街へ出ようということになりました。
 私「どこへ行こう?今日は日曜日だから店はあまりやってないだろうな」
 奥さん「とりあえずさっき車の中から見えたセブンイレブンに行かない?のども渇いたし、どんなもの売ってるのか 見たいし」
 私「了解、散歩かねて行ってみよう」
というわけで市庁舎付近にあったセブンイレブン目指して、散歩をはじめました。途中チボリ公園を横目に見ながら セブンイレブンに到着。
 奥さん「ねえねえ、これって何だろうね」
 私「うーむ。デンマーク語しか書いてないからよくわからないよ」
 奥さん「どうしよう、まずかったらいやだし」
 私「大丈夫、とりあえず食べ物みたいだから。食えないほどまずいということはないと思うよ」
 奥さん「じゃあ、まずかったら食べて」
 私「まかしとけ!」
セブンイレブンの脇の通りをさらにまっすぐ行くとストロイエという賑やかな通りにつながっているのですが、 今日はもう夜なので、グリーンランドからの帰りにゆっくり見ることにします。帰りがけに何店かあったホットドッグの 屋台の1つに入り、
ホテルのバーで就寝前に一杯!
 私「おじさん、これとこれおくれ」
 店のおじさん「あいよ、マスタードは入れていいかい」
 私「いいよ」
 店のおじさん「ピクルスはどうする」
 私「いいよ」
 店のおじさん「じゃあ、これは」
 私「面倒だから全部入れてよ」
 店のおじさん「あいよ」
このあとホテルのバーで一杯やっていたらその場で意識が遠のいて来たので今夜はおやすみです。

グリーンランド行き当日朝の出来事

 今日はいよいよグリーンランドへ降り立つ日です。チェックアウトを済ませ、私たち3人がロビーで ドライバー氏を待っていると、やや遅れて昨日のドライバー氏が日本人女性を1人連れてやってきました。
 とりあえず挨拶をしようと立ち上がると、私たちの前に座っていた1人の外国人も同時に立ち上がり、 ドライバー氏に向かって挨拶をしています。私たちはドライバー氏に挨拶が済むと、今度は同行してきた 日本人女性のほうから「。。。です。よろしくお願いします」と言われてしまいました。 何がなんだかよくわからぬまま「こちらこそ、よろしくお願いします」などと答えながら、昨日空港で会えな かったもう1人の日本人というのはあの人なのかな?と考えていると (このときはキャンセルされたことを知らなかった)、その日本人女性が私たちに再び話しかけてきました。
 その女性「みなさんのお荷物はこれで全部ですか」
 私と奥さん「???あっ、はい、そうです」
 その女性「では、よろしければ参りましょうか」
ん?、何だ、これはいったい?と、何も考えるひまもなくドライバー氏は「follow me!」と言ってみんなの 荷物を一手に担いで、車に積み込んでいます。かくして私たち3人と1人の日本人女性、それに1人の外国人という よくわからないグループを乗せた車は一路空港へと向かいました。
 空港へ着くとドライバー氏はみんなの航空券を集めてチェックインをしてくれています。その間、残りの5人は 後ろで待機状態です。ホテルでは慌しくて私はまだ事態が飲みこめていなかったので、私はその日本人女性に 向かってもしやと思っていたことをたずねてみました。
 私「失礼ですが、もしかしてガイドさんでいらっしゃいますか」
 その女性「はい、そうです。グリーンランドに同行させていただきます」
なんと!これは予想外でコペンハーゲンから添乗員さん同行ツアーになってしまいました。 (本来はグリーンランドの現地ガイドさんのみです。)
 今回同行していただけるガイドさんは、Tさんとおっしゃるコペンハーゲン在住の方で、グリーンランドの Aasiaatにもお住まいになられたことがある方です。本来は陶芸のほうがご専門ということでしたが、 グリーンランド在住経験もおありとのことで、こうしてときどきグリーンランドへの旅人のガイドもなさるとのことで、 今回もこのツアーを主催するArctic Adventure社から突然行かないかと言われて決まったそうです。 事情はともかく楽しい旅になりそうなことは間違いなしです。
 ちなみにTさんは日本語、デンマーク語はもちろん英語にも堪能な方で、私たち日本人3人と外国人1人の計4人の ガイドさんです。その外国人はLさんというフランス人の方でグリーンランドへは野生動物の撮影が目的だそうです。 Lさんは英語がお出来になるのでガイドさんおよび私たちとの間のコミュニケーションはもっぱら英語です。 かくして私たち5人を乗せた飛行機はグリーンランドへと旅立ちました。