グリーンランド雑感
(注)記載内容は私が旅した時点の情報です。
現在では記載内容と異なることがあります。
グリーンランド豆知識
グリーンランドは総面積の80%以上が厚い氷に覆われた世界最大の島です。中心部では氷の厚さは約8kmにも達し、
ちょうどお椀型の陸地の内部を氷で満たしたような感じの構造になっています。
沿岸部では内陸の氷によって形成された氷河やアイスフィヨルドが発達しています。
その万年氷のためにほとんどの人々は沿岸部(とりわけ穏やかな西海岸)に生活しています。
グリーンランドの人口は約57000人(2021年現在)で、イヌイットを中心にデンマークなど欧州の人が住んでいます。
国としてはデンマークに属しますが、自治権が認められていて、グリーンランド自治政府が内務を司っています。
その中心となる町(首都)はグリーンランド最大の町Nuuk(ヌーク)です。
最新の情報を詳しく知りたい方はVISIT GREENLAND(英語)が参考になります。
グリーンランドの各地域ごとに詳しい説明や、ツアーの紹介があります。特に北東部はナショナルパークに指定されていて
人を寄せ付けない氷の大自然と、ポーラーベアなどの野生動物の世界が広がっていて、ツアーなどで訪れることができます。
グリーンランドへのルート、島内交通
グリーンランドを訪れるには私の訪問当時は大きく3つのルートがありました。
デンマークのコペンハーゲンから入るルート(SAS、Greenlandair)
カナダのオタワからバフィン島Iqaluit経由で入るルート(FirstAir)
アイスランドのレイキャビクから入るルート(Greenlandair、AirIceland)
最も一般的で楽なルートはコペンハーゲンから入る方法で、KangerlussuaqやNarsarsuaqなどへのフライトがあり、
比較的便数も多く便利です。
グリーンランドのHUB空港である中西部のKangerlussuaqや南部のNarsarsuaqは、両空港とも以前は米軍基地であったため、
長い滑走路のある設備の整った空港です。ちなみに現在では米軍基地があるのは北部のThule Air Baseのみです。
Thule Air Baseのさらに北にも集落があり、いつかは行ってみたいところです。
また東海岸の村へはアイスランドから直接入ることもできます。
島内各地を結ぶ小型機、ヘリ
グリーンランド航空
島内交通
グリーンランド内の各地へはグリーンランド航空が飛行機やヘリコプターを運行しています。
NuukやIlulissatなどの大きな町には空港があり、飛行機で行くことができますが、その周辺の村へは
近くの町の空港からヘリコプターで行くことになります。ただ私の訪問当時でも各地に空港を整備しつつ
あり、AasiaatやSisimiutなどへも飛行機で行けるようになっていましたので、今ではより便利に
なっていそうですね。
Qaanaaqへ行く場合にはPituffik(Thule Air Base)を経由してヘリコプターで行きます。
ただPituffik(Thule Air Base)は現在も米空軍基地として機能していますので、通行許可証が必要になります。
この通行許可証は旅行の手配を済ませたあと、デンマーク外務省に申請します。
Kangerlussuaq-Pituffik間は私の訪れた冬(1999年)は毎週火曜日に週1便ありました。夏にはもっと便数
があるのでしょうか。機材はB727型機でした。Pituffik-Qaanaaq間はB727に連絡したAir Taxi
(Bell212ヘリコプター)があるようです。
他、夏には西海岸の沿岸を船で行くルートもあるとのことでした。沿岸からグリーンランドの景色を
楽しみながら北上するというのも楽しそう。
周辺の観光スポットや内陸の万年氷などを見に行くには、4WDのSUV車で行くことになると思います。
私はKangerlussuaqのGreenland Tourismのガイド兼ドライバーさんと行きましたが、万年氷を見るには
雪と氷の過酷なオフロードをひたすら走っていくので腰が浮くほど揺れたりしました。
Kangerlussauqについて
Kangerlussauqはもとは米軍の基地でしたが、1992年の米軍撤退後はグリーンランドのHUB空港として
民間利用されています。ジャンボ機も離発着可能といわれる長い滑走路や整った設備を利用して、
島外からの路線と島内各地への中継地として機能しています。
旧米軍施設にはカフェやプール、体育館、ボーリング場、アスレチックなどがあり、有料で一般開放されて
いました。実はスパもあると聞いて行ってみたのですが、私が行ったときはやってなかったため、せっかく
水着を持ってきたのだからとプールのほうに行ってきました。
ちなみにKangerlussauq はイヌイット語で長いフィヨルドという意味だそうで、
グリーンランド内の地図を見ると、各地に同じ地名やフィヨルドが存在するのがわかります。
Ilulissatについて
Ilulissatはディスコ湾に面したグリーンランド第3の町で人口は約4500人、昔この地一帯の商取引を
取り仕切っていたデンマークの商人Jakob SeverinにちなんでJakobshavnとも呼ばれています。
IlulissatへはKangerlussauqからグリーンランド航空で約45分のフライトで行くことができます。
この町では約6000頭もの犬ぞりで活躍する犬たちが飼われているそうで、実際町中でも犬ぞりで走っている
光景を見かけました。町にはホテルやチャイニーズレストラン、ディスコなどもあります。
また郵便局と併設された大きなスーパーがあって、ここで私も買い物をしましたがけっこうなんでもありました。
町の南には生産力世界最大級のIlulissat氷河があり、ディスコ湾に大きな氷山が浮かぶのが眺められます。
Kangerlussuaqの滞在について
(滞在して感じたこと)
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Kangerlussuaqは冬場は気温が-30℃くらいまで下がることもあります。冬のグリーンランドでは
当然ですが、防寒対策はしっかりしていないと、エクスカーションではつらい目にあいます。
特に手足や耳などは痛くなってきますのでご注意を。
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Hotel Kangerlussuaqは空港ビルと同じ建物にあります。だからチェックインなどはとても便利。
部屋も清潔で広めでした。ただ室内がものすごく乾燥していて、唇かさかさ、のどはカラカラになって
しまいました。乾燥対策はしたほうがいいかも。
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Kangerlussuaqは大きく分けて、空港ビル側と滑走路の反対側の旧米軍施設側に分かれています。
カフェやプール、ボーリング場、体育館などはすべて旧米軍施設側なので、ホテルからはすこし距離があります。
歩いても10分から15分ほどですが、冬場はけっこうきついかも。ただ循環バスが30分間隔で走っており、
ホテル前(=空港前)にも止まりますのでこちらが便利です。料金は無料でしたので私はもっぱら利用していました。
またジャグジーバス(SPA)は私たちが行ったときは故障中で修理予定は未定だと言われてしまいました。
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ホテルの前や滑走路にはよく狐が現れました。可愛いからと行って触るのは厳禁ですが、室内からも2,3匹
連れ立って歩いているのが見えたりして微笑ましいです
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ホテルを出て、道路を隔てた向かいにスーパーがありました。ホテル内のミニバーはとても高いので、飲み物や
お菓子などを買うのに便利です。ただセールの缶ジュースでも6.5Dkr(約130円)もしました。やはりグリーンランドは
物価が高い。でもここしか買うところがないので私たちは毎日夕方頃顔を出していました。
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空港ビル内にはスタンドバーと免税店、土産品店がありました。土産品店にはあざらしや北極熊の爪で作った首飾り
(約500Dkr)、ソープストーンで彫った置物(500-1500Dkr)、犬ぞりやカヤックなどの模型、Tシャツ、キーホルダー、
タオルなど、グリーンランドらしいお土産品が売っていました。また同じ建物内のGreenland Tourismの中にもロゴを
あしらった衣服、帽子や関連図書(ただしデンマーク語が多い)、地図などが売っていました。ここでは北極圏内到達
証明書なるものも(20Dkr)で売っていましたので私も記念に買ってしまいました。食品のお土産が欲しければ向かいの
スーパーに行くと、トナカイやアザラシ、クジラなどの食肉や加工品がありましたが、冷凍肉はちょっと難しいかな。
Kangerlussuaqのオーロラについて
オーロラは大きい(明るい)のが出れば、ホテルの部屋からでも見えましたが、やはりより美しく見るには暗い
ところに行ったほうがいいです。滑走路は夜遅くなるとほとんどの明かりが消えますが、ホテル周辺は窓明かりや
外灯が明るく、オーロラ自体はあまりよく見えないので、少し離れた方がいいと思います。
少し歩けばかなり暗くなるので、そんなに苦労せずともそこそこには見えます。
また懐中電灯は持っていくと何かと便利です。空港側と旧米軍施設側を結ぶ道は夜でも以外と車が通りますが
外灯はないので、道路を歩くときは事故防止のためにも懐中電灯を付けたほうがいい感じです
(特に冬は道路の端に雪がたまり中央付近を歩きがちになるので)。
Kangerlussuaq近郊のフルグソン湖畔のロッジでオーロラ鑑賞をするエクスカーションもありました。
こちらは町の明かりの届かない山の中なのでほんとに真っ暗でオーロラが出ればとてもよく見ることができます。
ドライバー兼ガイドさんが懐中電灯を持って行ってくれますが、自分でも持って行くと付近を歩くときに何かと便利です。
ロッジへ付くとドライバー兼ガイドさんが暖炉に火を入れてくれて、温かいコーヒー、紅茶に、鯨やたらやその他魚の
珍味系の食べ物を用意してくれて、雑談しながらオーロラを待ちます。(これだけでもけっこう楽しい!)