エジプト雑感

(注)記載内容は私が旅した時点の情報です。 現在では記載内容と異なることがあります。

エジプトへのルート

 私が旅したときは、エジプトの首都カイロへは、さまざまなルートがありました。 関西空港からエジプト航空のノンストップ直行便がありましたし、成田空港からもマニラ、バンコク経由で エジプト航空の便が出ていました。また、ヨーロッパ系航空会社を利用して、それぞれの本拠地経由で カイロ入りすることもできました。私はというとアルプスに行った時と同様、アエロフロートを利用し モスクワ経由でカイロ入りしました。スケジュールは以下のとおりでした。
 成田発 13:00 SU576 モスクワ着 17:25
 モスクワ発 21:55 SU441 カイロ着 01:30
このルートだと、やはりモスクワで宿泊して観光というパターンがよさそうですね。
成田からエジプト航空を利用して行く場合は、
 成田発 16:00 MS865 (マニラ・バンコク経由)
 カイロ着 05:45
となります。この場合、カイロに朝到着となり、当日からエジプト観光ができます。ただ、時差ボケが あると、けっこうつらいかもしれませんが。

空港にて

 カイロ空港は第1ターミナルと第2ターミナルがあり、アエロフロートやエジプト航空などは第1ターミナルに 到着します。空港は大きくないのでわかりやすいと思いますが、セキュリティチェックが厳重で、たいてい 空港ビルに入るときと搭乗ゲートへ向かうときの2回、荷物のX線検査とボディチェックがありました。

エジプト通貨
ビザ印紙と入国スタンプ

両替

 第1ターミナルビルへ入るとすぐに銀行の窓口が並んでいて、ここでビザの印紙購入と両替ができます。 ビザ印紙代は15US$でした。購入した印紙はパスポートに貼っておくと、入国審査時にビザのスタンプを 押してもらえます。
 両替は日本円からの両替もOKでした。エジプトの通貨はエジプトポンド(LE)、 補助単位ピアストル(pt)といいます。1LE=100ptです。 エジプトポンドは再両替をするのは難しいので、使う予定分替えるのがいいと思います。余った分はお土産 として持ち帰るのもいいです。私はお土産用に状態のよさそうな紙幣、コインをキープしていました。 また小額紙幣は頻繁に使うので、両替時に入れてもらうといいと思います。1LEは約30円(2000/12現在)でした。

入国

 両替を済ませビザ印紙を購入したら、次は入国審査です。パスポートと入国カード(機内でもらえるか その場で書く)を提示してスタンプをもらいます。通常は特に問題なく通過できるようですが、 何故か私は(というより私の並んでいた列の人たちは)ここで引っかかり、パスポートを預けさせられ、 かなりの時間待たされました。理由は今でもよくわかりません。
 なんとか入国審査を通過するとそこはバゲージクレームです。そしてその横には税関があり、 そこを抜けると晴れて入国です。税関はとてもスムーズになんのチェックもなく通過することができました。

出国

 パスポートと搭乗券、出国カードを持って出国審査を抜けると、出発ロビーには免税店やギフトショップや カフェなどがあります。ただし第1ターミナルの出発ロビーは小さく、お店も少ししかありませんでした。 また土産品はハーン・ハリーリなどで値切って買うよりも高かったです。街中で買い忘れたものを買う程度に 考えた方がいいでしょう。
お金について
 エジプトのお金は非常に使い古されたものが多く、銀行で両替する際もボロボロの紙幣をくれたりします。 これがあまりにボロボロすぎて破れていたりすると、使うとき受け取りを拒否されたりすることも あるので注意が必要です。もしどうしてもそういうお金を手に入れてしまったら、セロテープなどで きちんと破れを修理してから使えばOKだったりします。
 また、ホテルや土産物店、レストランなどでは米ドルが使えることも多いです。 場所によっては日本円OKなところもありました。なので米ドルの小額紙幣も持っているといいかもしれません。
バクシーシについて
 エジプトにはバクシーシという習慣があります。これはなかなか日本人には理解しにくいもので、 わかりやすくいえばチップのようなイメージでしょうか。本来の意味はサービスに対するお礼(チップ) ではなく、豊かな人が貧しい人に分け与えるという宗教的な習慣から来ているとのことですが、 旅人にとって、実際のシーンから言えば、実質的にはチップと考えてもいいかもしれません。
 例えば写真を撮ってもらったり、撮らせてもらったりとか、観光地でちょっと案内してもらったり、 説明してもらったりとか、ちょっとしたいろいろな場面で「バクシーシ」といって相手が要求して きたりします。観光地ではサービスの押し売りでバクシーシを要求してくることも多々ありました。 最終的に払う払わないはその人の判断になりますが、一般的に払うような場面では相場の額を払うほうが いいかもしれません。
 チップ的なものを相手から要求されるというのは抵抗がありますが、払うと気持ちいいほどサービスが よくなったりすることもありました。ただバクシーシ目的で押し売りしてくる場合は、はっきりNO! といって断固とした態度をとったほうがいいでしょう。
トイレについて
 エジプトのトイレは私は最後まで慣れることができませんでした。ほとんどのトイレには、 トイレ番人がいます。用を足す前、トイレの個室を案内してくれたり、用を足した後、親切に蛇口を ひねってくれたり、トイレットペーパーはたいてい番人からもらわないと個室になかったり、 エアタオルのボタンを押してくれたり。。。などなどサービスをしてくれますが、当然 バクシーシを要求されます。その場合の金額の目安としては50ptでOKとのことでした。 2人で1LEとかでもOKのようです。ときどき向こうから2LEとか1$とか要求してくる場合もありますが、 それは要求どおり払う必要はありません。またなんのサービスも受けない場合も不要です。
写真撮影について
 遺跡や博物館などでは、写真撮影をするのにお金がかかる場所があります。通常はカメラ(またはビデオ) 持ち込み用のチケットを購入します。その場合でもフラッシュ撮影は禁止のところが多いです。 カメラ代はだいたい10LE程度でしたが、ビデオとなると100LE程度も取られたりします。
 また人物を撮影する場合、子供たちは写真に写りたがって自らフレームに入ってくる子も多いですが、 特に女性は撮影されるのを嫌う人がいるので要注意です。 建物や風景を撮るつもりでカメラを向けても、そのフレーム内に人が入ると大声で「NO!」と 怒られたりしました。
ショッピングについて
土産物店
 観光地の土産物店やカイロの市場ハーン・ハリーリなどでは、基本的に値札がなく値段は店の言い値でした。 ただ言い値はかなり高くそのまま買うと大損するので、値引き交渉して買うことになります。どのくらい 値切れるかは物にもよると思いますが、相場を調べておくと有利に進められそうです。
 値切りはある程度までは簡単に値が下がりますが、その先はコツと慣れが要りそうで、例えば、交渉が 膠着状態になり諦めて立ち去ろうとすると、「ミスター、OK、OK」と言ってきて、交渉成立ということもありました。
 また、膠着状態のとき、日本から持っていった小物(ボールペン、ライター、ヘアピン等)をプレゼントすると、 交渉成立したりもしました。観光慣れしたハーン・ハリーリなどでは、向こうから「プレゼント」と言ってきたりします。
 ピラミッド周辺や遺跡などの土産物店は、日本人慣れしていて「ぜんぶで1000円」とか「10枚1000円」とか 片言の日本語で質の悪い置物や、偽パピルスの紙を持って寄ってきたりしました。 こういう人たちの中にはかなりしつこい人もいるので面倒です。ただ、10枚1000円だったのが、15枚1000円になり、 20枚1000円になり。。。とどんどん増えていったりします。紙幣でないと換金できないため、1000円から値段が下がる ことはないですが、もしそれならいいかと思えばお土産として買うのもありかもしれません。 ただその場合はかならず枚数をその場で確認して、お金は一番最後に渡すのが安全です。
 また、置物やガラベーヤなどを指して「ワンダラー(1$)、ワンダラー」と声を掛けてくる土産店員もいました。 「えっ、ガラベーヤが1$で買えるの?」と興味を示すと、とたんにガラベーヤを羽織らされ、「テンダラー(10$)」 と値段が変わっています。普通に考えれば詐欺ですね。もちろんそれで買う必要はありませんので、そこから値切るか とっとと立ち去るかは自由です。ただし人によっては一度店に入るとかなりしつこいです。
観光について
 観光の目玉であるピラミッド周辺には、らくだ引きのおじさんがいて盛んに誘いにきました。しかし悪質な人も いるので注意が必要です。乗るときには事前によく値段を交渉し、お金は最後にらくだを降りてから渡すように するのが無難です。先に金をよこせというようならくだ引きはやめた方が無難です。
 また3大ピラミッドの見える展望所などでは、一緒に写真を撮ろうとか、写真を撮ってあげようとか言って にこやかに近づいてくる人がいますが、あとでお金を要求されます。最初に「ノーマネー」とか言って来くる人も いますが、それは嘘で何か理由をこじつけてあとで金を要求してくるので要注意です。
 また安心ならないのが警備をしている警官でも、一緒に写真を撮らないかと言って来たりしますが、あとで バクシーシを要求してきました。
 残念なのですが、観光地で親切に写真を撮ってあげようとか言ってくる人は、係員や警備員であっても、 あとでお金を要求してくると考えておいた方がいいかもしれません。もっともたいてい1、2LE程度でOKなので、 承知の上でお願いしてもいいかもしれませんが。。。
エジプト考古学博物館
入場券、カメラ券
 エジプト全土の遺跡から出土した遺品が展示されています。内部はそれほど広いわけではないですが、 展示品の数は多くしかもどれも目を引くものばかりなので、エジプト文明に興味のある人なら1日がかり になると思います。
 警備も厳重で、最初に一番外の門を入るときにセキュリティチェックがあり、さらに建物内部に 入るときにも再度セキュリティチェックがあります。入場券は門を入ったすぐ脇にチケット売場があります。 入場料は私が行った当時は20LEでした。
 内部で写真を撮りたい人はカメラ券(当時10LE)も必要です。ビデオの場合はビデオ券(当時100LE)が必要です。 これは他の観光地でも同様にビデオ券は高額なので要注意です。カメラ券のない人は建物内部へ入る セキュリティチェックでカメラを預けさせられます。またカメラ券を持っていても内部のフラッシュ撮影は禁止です。 フラッシュ撮影をするとすぐに係員に怒られますのでご注意ください。最悪の場合はフィルム没収という話でした。
 博物館の2階にはミイラ室があって、歴代王のミイラが展示されています。 ここへ入るにはミイラ室入口でさらに入場券を買う必要があります。入場料は当時40LE。 さらにこの内部は写真撮影禁止です。また私語も禁止でがやがやと話していると、係員が「クワイアットプリーズ」 と大きな声で注意されます。係員の声はいいのだろうかと疑問に思ってしまいますが。。。
シナイ山登山について
シナイ山登山マップ
シナイ山の初日の出
 シナイ山登山をするにはその麓の町セントカテリーナが基点になります。セントカテリーナにはいくつかの ホテルがあります。登山は町から車で数分のセントカテリーナ修道院の駐車場に行き、そこから参道を20分ほど 歩くと修道院横の登山口に出ます。私は大晦日に訪れたので初日の出を見るために、夜中の2時半くらいから 登りはじめましたが、夜は星明り以外全く光がないので懐中電灯は必携です。
 登山口にはらくだがたくさん待機していて、例によってらくだ使いのおじさんが片言の日本語で「らくだ」 とか「グッドらくだ」とか声を掛けてきます。らくだを使うと頂上までは登れませんが、かなり上まで楽に 登ることができます。料金は当時15US$でした。なおらくだは登山道の途中でもたくさんいてしきりに声を 掛けられました。途中から乗る場合は交渉して少し安くなるようです。私は使いませんでしたが。
 徒歩で登る場合はらくだも通る坂道をいっしょに登るか、石の階段(といっても整備された階段ではなく ガレ場のようなところ)をいっきに登るかのどちらかです。階段は頂上まで3750段くらいあるそうで、 行った方に聞くとかなりきついとのことでした。その上足場が悪いので暗い夜はけっこう危険です。 一方、らくだ道は蛇行する坂道で距離は長いがそんなに急坂はありません。さらにらくだ道のほうには20-30分 おきに休憩所があり、飲み物やお菓子類などが売っていました。
 らくだを使った人も、らくだ道を徒歩で登った人も、頂上までの最後の750段は階段を歩いて登らなければなりません。 これが駄目押しのようにけっこうきつかったです。途中にお助け屋?のような人がいて「ユーニードヘルプ?」 とか言って声をかけてきます。お願いすると後から腰を支えてくれたり、手を貸してくれたりなど、いろいろ やってくれるようでした。料金はだいたい当時10-20ポンド程度でいいようでした。
 晴れて頂上にたどり着くと、そこにはすばらしい景色が待っています。シナイ山は周りの山に比べて突出 した山なので、特徴的な周囲の岩山が一望できます。頂上には休息所もあり飲み物やお菓子を買うこともできます。 またモスクや礼拝堂などもあります。
 所要時間は登りは普通に徒歩で登って休憩も含めて3時間程度、下りは2時間もあれば下りてこれると思います。 また休憩所は下山時には閉まっていました。普段は営業しているのだろうか?